店舗ご案内

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いず重へ、おいでやす。

 寿を司る。
 京都では、晴れの日の祝いの膳に、京寿司が欠かせません。中でも、馴染み深いのが「鯖寿司」です。
 京は海から遠く、古来、鮮魚の入手が難しうございました。冷蔵技術のない時代のこと、若狭で獲れたての真鯖に一塩し、山々を越えて運び込み、良い塩梅の酢飯と昆布で作る、「保存の利くご馳走」として生み出されました。先人たちの知恵です。
 初代、重吉より百年以上に渡り、変わらぬお味をご賞味下さい。

こだわり

古い手法を最大限保存再生しているのは、その歴史こそが京寿司の雅やかな味を創り上げているからに他なりません。京寿司の未来が明るいことを確信しながら今日も祇園で寿司をつくっております。
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お席

旧店舗の改築が完了し、店内飲食・お持ち帰りどちらも営業中です。
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店主による商品解説

店内でのお食事はもちろん、ほぼ全ての商品をお持ち帰りいただけます(極上鯖姿寿司はお持ち帰りのみ)。季節ごとのお寿司もご用意しておりますので是非ご利用くださいませ。

鯖寿司

(小)2,820円(税抜)
 1人前6切
鯖寿司
【大】5,640円(税抜)
 2人前12切分
鯖寿司
【極上】6,960円(税抜)
 10切分
鯖寿司
魚族多勢居る中で一番おいしい者はサバでございます。 そのサバの最も優れた食べ方が日本民族の考えだしました姿寿司でございます。これは疑いようもございません。 いづ重名代の鯖姿寿司は日本海対馬沖で獲れた真サバを使います。ひんやりとした脂のうま味をご賞味ください。 巻いてあります昆布は風味付けと乾燥を防ぐためのものです。少々堅くもありますので取り除いてお上がりください。かと言って上質の昆布ですからお好きな方はどうぞ。 【小】1人前は【大】2人前を切り6切れに組んだものです。切ってある分堅くなり易いので、お買い上げの翌日位にはお召し上がりください。 【大】【極上】は切らずに涼しい処に囲って頂ければ2~3日はそのままお召し上がりいただけます。ごはんが堅くなり過ぎた場合は小口に切り、切った断面をフライパンで焼いて(この場合は昆布をつけたまま)お召し上がりいただいてもおいしゅうございます。 どうしてもなんとなく冷蔵庫へ入れてしまいそうになりますが、寿司飯が死んでしまいますのでご辛抱ください。

いなり寿司

夏季期間は休止致します
【店内お食事】900円(税抜)
【お持ち帰り】950円(税抜)
いなり寿司
先達の伝えるままを古風ですが踏襲しており現在も寿司飯には苧の実(おのみ・麻の種)を入れております。カリッとした食感をお楽しみください。そして、他に柚子・ごぼうと計3種の香りの彩りをそえて寿司飯の食感を軽くいたします。重くなりがちないなり寿司ですので尚さらに。
大事なおあげは100%国産大豆を使って濃い豆腐をこしらえてもらい、一枚一枚手揚げで丁寧に作って戴いております。そして、おくどさんの赤い炎でじっくり甘からく煮ふくめたものです。
尚、いなり寿司はいたみやすいので盛夏は製造休止致します。

焼九条葱入り大人のいなり寿司

10~3月限定
【店内お食事】900円(税抜)
【お持ち帰り】950円(税抜)
焼九条葱入り大人のいなり寿司
これはどうしても苧の実の苦手なお客様の為にお作りしたのが最初です。九条葱のおいしい季節(廿四節季10月霜降~3月彼岸まで)の製造となります。九条葱もおくどさんの置き火で焼き葱にして寿司飯に刻み込みます。

上箱寿司

【共通】2,160円(税抜)
上箱寿司
明治の末年に創業した折から変わらぬ人気の寿司です。冬場にとり貝を使うのも古い仕事です。大阪ではきくらげを使います。小鯛の下に木の芽を敷くのも京風です。厚焼卵、えび夏場は穴子を使い鰆や鱧など季節の移ろいを型に押します。京寿司を構成するのは箱・巻・鯖が基本です。色どり味わい共に良い京寿司の花形。百年以上愛され続けた寿司を今も作ることのできる喜びを感じます。

巻寿司

【共通】1,200円(税抜)
巻寿司
昔ながらの京巻きです。百年前には完成されていた当時のままの味です。 京巻きといいますのは、椎茸、干瓢、三つ葉、厚焼玉子を具にして、火を入れない生のりで巻く簡素な巻寿司です。実は寿司屋にとって素材の良しあし、煮炊きの上手い下手がすぐにわかるごまかしようのない厳しい寿司です。お召し上がりになると、のりの風味が具材を包みしみじみとおいしさが拡がります。 安価でつつましく見えても見えないところで手間と時間をたっぷり使ったぜいたくなお寿司です。

ぐぢ姿寿司

【共通】5,160円(税抜)
ぐぢ姿寿司
巷にありそうであまり見かけぬ、ぐぢ(甘鯛)の寿司です。いづ重では対馬の最高級品を使います。通常ぐぢの皮目は堅いので取り除きますが、甘味うま味がその皮目にあること、きれいな色をしていることなどから思い切って皮を残しております。細やかに包丁目を入れてございますので大丈夫です。
甘鯛の名の通りの上品な甘みがこの魚の功徳であります。昆布と大変愛称の良い魚ですのでとろろ昆布と絡めてお召し上がりください。頭からしっぽまで何をしてもおいしい魚です。店内ではぐぢのうしお汁やひれ酒もご用意してございますので、ぐぢを堪能してください。日持ち致しますので鯖寿司同様発送も承ります。

小鯛笹巻

【共通】1,620円(税抜)
小鯛笹巻
海から遠い京都です。山國と言ってもいい位。昔、都の北、日本海に接する越前(今の福井県)小浜(おばま)にあがった鮮魚は浜で塩を当てられて人が背負うて、若狭の山道を越え京の都へ急ぐごちそうでした。昔々からつい最近までの都の暮らし。「今時分はどの峠に在るやら」と洛北の山波に思いを馳せたことでしょう。おいしさはその山路にあるような。
天然の小鯛を昆布〆にして、木の芽をはさんで寿司にします。笹も古風に乾笹を戻したもので巻き、遠い若狭の山路の香りを想う雅。美しいですね、京都は。

あじ寿司

【共通】1,500円(税抜)
あじ寿司
大葉をはさんでフワリと爽やかに。
縞アジの濃さを寿司飯が受けとめてあっさりとした味が出せました。バッテラ型を使った押し寿司に分類しております。寿司の上の白板昆布は極薄の最上級品です。お口にも残らず風味も佳いので昆布を付けたままお召し上がりください。

京ちらし

【共通】1,560円(税抜)
京ちらし
生ものを使わずに、小鯛と海老・昆布だけで仕上げたものです。寿司飯には鱧と椎茸、刻んだ焼きのりが入ります。以外とありますのは器持参で「満タンお願いします」というご注文ですが、あまりに深く大きい器ですとものすごいことになりますのでご相談承ります。

粟麩巻

【共通】600円(税抜)
粟麩巻
八坂神社の御祭神スサノヲノミコトを粟のかゆでもてなし疫病の難を逃れた蘇民将来の故事。故に粟麩の寿司を売る。これをこじつけといい、ケーシー高峰やインチキ寿司店の仕事でございます。
精進料理の手法で揚げ煮の粟麩を巻寿司にしてあります。「精進で寿司折りを」のご注文にも対応致します。

海藻巻

【共通】900円(税抜)
海藻巻
海藻類は我々の食を豊かに支えてきました。又、古来日本の神々への捧げものとしていとなみと共にありました。いづ重は八坂神社に近く神事関連の折詰めのご注文などに海の香りを漂わせたく海藻巻が完成致しました。あらめ・めかぶ・わかめ・青のり・こぶ・ひじき・のり・とさかのり、八種の海藻の巻寿司です。

鱧姿寿司

梅雨~紅葉
時価
鱧姿寿司
淡路沼島の活鱧をおろして骨切りし、串打ってタレ焼きにしたものを寿司に致します。単純なものです。コツや吟味や間合い、長年の積み重ねで味わい深いものになるようです。梅雨の初めから紅葉時分まで、いづ重では長い期間扱います。発送も致しておりますのでご用命くださいませ。

鱧ちらし

初夏~紅葉
【共通】1,800円(税抜)
鱧ちらし
鱧のある間、初夏~紅葉までのちらし寿司です。鱧の落とし(骨切り下鱧の湯引き)を特製のタレに漬けます。寿司飯の中に鱧の頬っぺたの身をいれてございます。シコシコとした食感はその為です。ちらし寿司は寿司飯の量の加減が出来ますので(値段は変わりません)お申し付けくださいませ。

あゆ姿寿司

初夏~八月盆頃
【共通】1,100円(税抜)
あゆ姿寿司
塩焼きあゆを姿寿司にしました。あゆは岐阜や紀州の川囲いを使います。青じその酢でお召し上がりいただいております。気軽に手軽にあゆを皆様に楽しんでもらおうと平成六年夏から始めました。
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周辺の名所

八坂神社の斜向かい、祇園町に位置する当店は各観光名所へのアクセスも抜群です。観光のついでにいづ重を、いづ重に行くついでに観光を。呑気で寂しい京の都を満喫してください。
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店主より

お引き立て誠にありがとうございます。憚りながら、京寿司の名舗いづう様の別家筆頭として、初代重吉がのれん分けの誉れを戴き、祇園石段下にて京寿司一式、季節を織り交ぜ製造販売いたしております。と、皆様の前で申し上げるまで百有余年もかかるわけです。ついこの間までは、粉わさびを水で練って握り寿司も致しておりましたし、二代目重吉は川魚料理屋も致しておりました(スッポンにかけては稀代の腕前、抜群のうまさでありました。)。
京寿司を看板にいきもどりつ、しかしながらいづ重の倉庫に残る創業時からの道具や器、のれん、帳面、ハッピやら身の回りの品々から読み取れる明治からこの方のお客様の京寿司へのあこがれ。そしてよしっ、いいものを作って応えてやろうという先達の意気込み。その辺りのことが味わえるようになって参りましたから、京寿司、京寿司と張り切りだすわけでございます。
京寿司の基礎を成すものは箱・巻・鯖。中でもいづ重の名代は鯖姿寿司でございます。京を都と定めて1200年このかた、都人は日本海の豊かな産物に執着して参りました。手前どもの先祖は南北朝の頃は琵琶湖の海運を業とする家で往時都と日本海をつなぐ物資運搬の縁が今にして日本海の鯖を寿司にして売らせるものかと思っております。湖国にあった頃の当家の船は今も店内の腰板として使用。うち数枚は、ある日源九郎半官義経公が奥州へ落ち延びられる折、当家が湖北へお供した際の家門の誉れの御船の残欠である…と父祖より聞かされた通りに信ずる処であります。室町もしばらくして応仁の乱も忘れた洛中洛外図に見る活気に満ちた世になりますと、京は盛んに中国(当時の明)から大盤(大皿、大鉢、俗にごちそう鉢と申します)を輸入致します。晴れの日の第一のごちそうを、この舶来の器にどかっと盛ってもてなすわけです。ごちそうというのは、あの垂涎の、あの胸高鳴る「寿司」としか考えられぬのであります。京寿司に他ならぬのでございます。(洛中洛外図に描かれる家々一軒一軒をのぞきましたが、寿司食うてる家がありません。寿司屋が休みだったのでしょうか。出前が遅れていたのでしょうか。後進の研究が待たれます。)
さてさて冗談はさておき京寿司の魅力をどう伝えるかを念頭に日々寿司を作りながらどこを引き出そうかと考えております。祇園石段下にて京名物の鯖姿寿司をはじめ京寿司を作らせて戴いておりますことのありがたさは日々身に余る光栄でございます。
是非とも京寿司ご用命賜りますようお願い申し上げます。
いづ重店主 敬白
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